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終盤国会与野党攻防激化へ

NHKマイあさラジオ「ニュースアップ」 5月22日放送

 

司会共謀罪の構成要件を改めてテロ等準備罪を新設する法案について与党側は5月23日衆議院本会議を開いて可決し参議院に送りたいとしているのに対し、野党側は採決に反対していて法案の衆議院通過をめぐる攻防は今週山場を迎えます。

 

与党側は先週末法案の採決に踏み切りましたね。

 

解説委員民進党共産党など野党4党は、監視社会につながるなどとして法案に強く反対してきましたが、自民公明両党は今の国会での法案の確実な成立を図るため、先週の金曜日、衆議院法務委員会での採決に踏み切りました。

 

野党4党は審議で答弁が不安定だった金田法務大臣に対する不信任決議案を提出するなどして抵抗したんですけれど、与党側がこれを押し切った格好です。

 

法案の修正を経て、採決では日本維新の会も賛成に回りました。

 

これを受けて与党側は、今週法案の衆議院通過を図る方針で、出来れば今週中に参議院でも審議入りさせたい考えです。

 

司会:これに対し野党側はどう出ますでしょうか。

 

解説委員:「先週の法案の採決は無効だ」また「一般人が捜査対象になる懸念も残る」など法案は問題が多いというのが野党側の立場です。

 

舞台は参議院に移ることになっても、徹底審議を求めるということになるでしょう。

 

そして、ここにきて岡山県に本部がある学校法人加計学園が運営する大学の国家戦略特区を活用した獣医学部の新設をめぐる問題が浮上しました。

 

民進党獣医学部の選考が続いていた時期の文部科学省内閣府の担当者とのやり取りを記したとされる文書の存在を指摘、「総理のご意向だと聞いている」などと書かれたものもあることから、政治的な関与や政府の不適切な対応がなかったかどうかを解明する必要があるとしていて、予算委員会の集中審議を求めるなど、攻勢を強めています。

 

仮に問題が広がって、国会が混乱するような展開になれば、テロ等準備罪を新設する法案の審議に影響を与える可能性も否定できません。

 

司会:与党側はどのように出ようとしているのでしょうか。

 

解説委員:与党内からは、野党側の攻勢をかわし法案の成立に万全を期すため、来月18日までとなっている今の国会の会期を延長すべきだという意見が出ています。

 

具体的な延長幅としては、7月2日投開票の東京都議会議員選挙を超えて、7月下旬まで延ばす案などが検討されているようです。

 

ただ会期延長は、野党に政府を追及する場を提供するという側面もありますので、与党にとってはもろ刃の剣でもあります。

 

与野党攻防が激化されるとみられる終盤国会、目が離せない状況だと思います。