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民進党など4野党、加計学園問題の疑惑解明が不十分と、臨時国会の召集を引き続き要求

TBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ」6月26日放送

コメンテーター:青木理

 

民進、共産、自由、社民の4野党は、通常国会が閉会した後に、萩生田官房副長官の発言をまとめたとされる新しい文書が出てきたことも踏まえ、「首相は逃げずに説明責任を果たすべきだ」として、臨時国会を早期に召集し、安倍総理が国会で説明するよう要求を続ける方針です。

しかし、政府与党は、臨時国会の召集や安倍総理が出席する衆議院予算委員会の閉会中審査にも応じない構えで、野党側は「疑惑隠しだ」と反発を強め、都議選でも圧力をかけていく構えです。

 

荒川:安倍総理は、都議選告示後初の土日となる24・25の両日とも、街頭演説はしませんでした。

また、25日に街頭演説を検討していた萩生田官房副長官も、姿を見せませんでした。

そして、土曜日のことですが、安倍総理は、国家戦略特区による獣医学部の開設を加計学園愛媛県今治市以外にも全国で獣医学部の新設を認める考えを明らかにしました。

青木さん、土曜日の総理の会見、どう思われました。

 

青木: 官邸のホームページに、6月19日の国会閉幕にあたっての安倍首相のコメント全文がアップロードされています。

「真なくば立たずであります。

    何か問題があれば、その都度、真摯に説明責任を果たしていく。

    国民の皆様から、信頼が得られるよう、冷静にひとつひとつ丁寧に説明する努力を積み重ねていか  

    なければならない。

    その決意を、この国会の閉会にあたって、新たにしております。」

こうおっしゃってるんです。

こうおっしゃっていて、加計学園の問題全般にそうなんですけど、国会閉会した後に、萩生田さんという首相の側近中の側近が、「総理がお尻を切ってるんだ」というように言っていたという文書も出てきたわけですよね。

臨時国会も当然ですけど、ひとつひとつ丁寧に説明していく努力をしなけらばならないところなのに、何をされてるんですか、ということですよね。

ということになってくると、会見をして、ちょっと反省している振りをするけれども、基本的には説明していないじゃないかと、まさにおっしゃってることとやってることが違うじゃないですか、というふうに言われても、これは首相を支持する立場とか支持しない立場とか、首相に批判的な立場とか好意的な立場とか、関係なく、これは誰が聞いても説明されてないんじゃないですか、と思われても仕方ないと思いますけど。

 

荒川:その説明をすると言うんだったら、たとえば都議選が終わってからとか、そういうのではなくて、すみやかにその場を作るというのが、国民に答えるということなんじゃないでしょうか。

 

青木:そうなんです。

先日、東京新聞が書いていて、非常に皮肉な話だなと思ったんですけど、憲法は国会の4分の1の勢力臨時国会開催を要求したら、開かなくてはいけないと書いてあるんだけど、何日以内に開かなくてはいけないとは書いてないんですよ。

なので、極端に言えば、次の臨時国会まで開かなくていいということになるじゃないかという理屈も成り立つということで、開かないのも別に違憲ではないということが、今までまかり通って来たんですけど、自民党改憲草案には、20日以内に開というふうに付け足してあるんですよ。

つまり、自民党改憲草案に則るのであれば、首相は臨時国会は20日以内に開かないといけないんですよ。

ご自分の改憲草案にそう書いてあるにもかかわらず、開かない、説明もしないというのは、6月19日の記者会見でのご発言とも、全く相違しているし、ご自身たちがまとめた憲法草案にも反しているし、何一つ納得できない気がします。

 

荒川:憲法改正草案、通ればやるよという意味じゃないんですか。

憲法改正になってないんだから、草案もあくまでも草案でしかないと。

だから、憲法には違反しないと、言うんじゃないんですか、また。

 

青木:しかし、萩生田官房副長官の発言をまとめたとされる新文書が出て来たんですけど、この萩生田さんというのは、加計学園の系列の大学でかつて先生をされて、報酬も受け取っていたんですよ。

今でも、事実上名誉客員教授か何かの肩書きを持ってらっしゃるんですよ。

その学校法人が、岩盤規制を突破するという理屈のもとに、自分の形しか通れないような穴を開けてもらって、そこに入ったということになってくると、まさに利害当事者が自身しか通れない穴を開けたということになってくると、本当に相当権力型の汚職の匂いすらするのに、これだけ言われても説明をしない、というのは納得できないですよね。

 

荒川:岩盤にドリルって言うけど、加計学園しか通れない穴だったと言うのは、国民みんな気付いてますよね。

なんだよ、そのセコさは。

 

青木:それを一生懸命保護してるような感じですよね。

笑ってばかりもいられないですよ。

野党の皆さんも頑張ってもらって、メディアも頑張らないと。

「説明せよ」と、ご自身が言っていた説明を、まさにひとつひとつ積み重ねなくちゃいけないんじゃないか、その時なんじゃないかと言うことを、言い続けるしかないでしょうね。