投票日が迫った都議選に宮台真司がコメント
TBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ」6月30日放送
コメンテーター:宮台真司
投票日が迫った東京都議選、小池知事の勢力は議会も制するのか。
東京都議会議員選挙の投票日は、明後日の7月2日。
小池都知事が代表を務める都民ファーストの会は、50人の公認候補を擁立していて、自民党と第一党を争っています。
小池知事にとっては相互推薦で連携する公明党を加え、自身を支持する勢力で、過半数の64議席を確保できるかが焦点となっています。
荒川:今回の都議選ですが、宮台さんはどの辺りに注目しておいでですか。
宮台:自民党はどこまで票を減らすか、あるいは議席を減らすかということに注目するしかないですね。
基本的に、市場の移転問題はほとんど僕の関心にはない。
多くの方もそうだと思います。
それはなぜかと言うと、安倍総理は告示期間に入っても、一度だけしか街頭演説に立ってないですよね。
昔は5回ぐらい1日に立っていたのと比べてみると、ということで、インターネットではご病気が酷いんじゃないかとか、あるいは第1期と同じように精神的な弱さがモロに出たんじゃないかとか、散々言われてますよね。
僕たちはね、いわゆる損得つまり経済指標が良くなるよくならないということだけではなく、正しいかどうかに関心を持って欲しいんですね。
もちろん、経済指標といっても、株価とか失業率っていうところだけの話で、それも裏をひっくり返してみると、社会指標も全部ボロボロなんですね。
特に子供の教育に関する様々な社会指標はボロボロという状況です。
そういうことに若い人が関心を持たずに、就職状況が良くなったから、みたいなことを言ってるのは、僕は良くないと思う。
人間は、利害損得だけではなくて、正しさにコミットするということが非常に重要です。
そういう意味でいうと、稲田さんというのは法律の専門家とはとても思えない方ですし、安倍さんも記者会見ったって、全てプロンプターの棒読み、質疑応答も全て原稿の棒読みというね、こういう状況で、記者会見でもなんでもないんですね。
これを安倍さんのせいというのは酷で、これは記者クラブがずっと容認してきたというところにも、非常に重大な問題があるんです。
世界標準から言えば、質疑応答じゃないよ、そんなの。
原稿読むだけですから。
荒川:これから投票するにあたって、有権者の方々お一人お一人、どこに注目し、どういうことで投票しようか、お考えでしょうけど、都政そのものでお考えになるのか、これまでの候補者の選挙区での実績をチェックされるのか、あるいは国政全体の考えを投票行動に入れるのか、様々あるかと思うんですけど、そこはじっくり考えて、投票はして欲しいですね。
宮台:日本は、東京一極集中なんです。
企業も大学もありとあらゆるものが。
なので、東京の問題は日本の問題なので、日本の方向性が変われば、東京の方向性も変わるように、自動的にそうなるようになってるんですね。
なので両方の問題を切り離すのは、あまり賢明ではないということですね。
荒川:すると、都政だけではなくて、国政の動きというのも投票行動に影響すると。
宮台:当然ですね。
例えば新国立競技場なんか典型ですよね。
オリンピック問題も典型で、国の方向性が東京都の方向性を事実上決めてしまうという面もあるわけです。
今回は、都民ファーストの会の小池さんをボスとする勢力が大勝ちをすれば、直ちにそれが国政につながって行くんじゃないかというふうにも思われているので、いろんなことを考えながら投票していただければと思います。