都議選で安倍首相と民意のズレを象徴した風景とは?
朝刊読みくらべ
都議会議員選挙の象徴的な風景というので、
各紙が共通して取り上げている場所があります。
朝日新聞の社説ですけれども、
首相と民意のズレを象徴したのは、都議選最終日のJR秋葉原駅前での首相の演説。
聴衆から首相への「辞めろ」コールが沸き起こると、首相は「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と声を張り上げた。
首相にすると、ごく一部の批判派による妨害と考えたのだろう。
だが、都議選の結果は、首相の政権運営に対する「NO」の声が決して一部に留まらない現実を物語っている。
こういうふうに書いてるんですね。
同じシーンを、毎日新聞も取り上げていまして、
首相に「帰れ」コールを浴びせる集団、
その場にいた自民党の衆議院議員は、「民主主義の否定」とこれを批判した。
お互いに異論に耳を傾けない分断の政治を象徴している。
こういうふうに書いていて、お互い様じゃないかと。
両方でもって相手の言うことを聞かないんだ、という見方なんですね。
「やりきれなさを感じた」と書いています。
しかしこうした政治を生んだのも、批判に不寛容な首相の姿勢が影響しているのではないか。
こういう見方ですね。
東京新聞も同じシーンを取り上げていまして、
首相はごく一部の反対派が批判のための批判に声を上げただけだと思っていたのかもしれない。しかし、会場の後方で見つめていると、コールは事前に準備した人たちだけではなくて、偶然の通りすがりの足を止めた人の一部にも広がっていたように思う。
と、こういうふうに書いてまして、
これはまた別の見方ですね。
つまり、広がりがあったんだ、という見方。
いずれにしても、首相がこういう人たちを「一部の人」というふうに見たところに誤りがあったんではないかというのは共通してるんですね。