日本とEUのEPA合意。そのポイントは?
TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ」7月7日放送
朝刊読みくらべ
日本とEUとの経済連携協定(EPA)が合意に達したんですけど、
そのポイントはどこにあったか。
読売新聞
TPPを意識したものだった。
と言うんですね。
当初難航した交渉が合意に達したのは、
コメをめぐる関税交渉が焦点にならなかったから。
それは、TPP交渉でアメリカとオーストラリア向けに、
一部無関税に適用する輸入枠を新設した。
これを政府は農家から批判を浴びた。
EU側と今回は、早い段階からコメについては市場開放の除外を認めた。
これが大きかったと言うんです。
EUは2019年に欧州議会選挙を控えていて、
今回決まらないと現在の議員がいる内に承認手続きが間に合わないという危機感もあったので、何とか成功させたいということで、コメは除外してもいいと譲歩した。
もうひとつ、日本経済新聞が書いています。
今回は、トランプ米政権を意識したということだそうです。
アメリカが保護主義的な志向を鮮明に打ち出す中、
日本とヨーロッパは2つの大きな経済圏が保護主義に対抗していることを世界に力強く示そうということで一致した。
日本にとっては、EUとのEPAは、アメリカの圧力を防ぐ防波堤の意味もあって、
日本はEUに約束した乳製品や牛肉豚肉の関税削減策を示して、
アメリカにこれ以上は譲れないと、
アメリカとの2国間交渉の時にも言えるカードを手にしたことになる。
これがTPPとEPAの2枚カードになってアメリカに対抗する。
こういう手法に切り替わったんだということです。