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安倍内閣支持率、過去最低の35%、理由は「総理が信じられない」が最多 青木理

TBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ」7月17日放送

コメンテーター:ジャーナリスト  青木理

 

この土日、共同通信社が行なった世論調査によると、安倍内閣の支持率は前回よりも9.1ポイント下がって第二次安倍政権発足後最低の35.8%となりました。

不支持率は10ポイント上がって53.1%に達しました。

指示ない理由で最も多かったのは、「総理が信用できない」で51。6%、

支持する理由でも、「他に適当な人がいない」が39。2%と最も多く、消極的支持に近いことがわかりました。

第二次安倍内閣のこれまでの最低の支持率は、15年7月に安全保障関連法が衆議院を通過した直後の37.7%、不支持率もこの時の51.6%が最高でした。

学校法人加計学園獣医学部新設をめぐり、行政が歪められたことはないとする政府の説明に、

「納得できない」は77.7%に達し、「納得できる」の15.4%を大きく上回りました。

安倍総理の腹心の友が理事長を務める学園による学部新設も、

「問題だ」とする人が62.4%で、「問題だと思わない」は29.2%でした。

また、都議選の応援演説で問題発言をした稲田防衛大臣を続投させる総理の姿勢について、

「適切でない」とした人が73.1%だったのに対して、「適切だった」は21.8%、

71.8%が「稲田氏は辞任すべきだ」としております。

そして、政党支持率は、自民党が2.4ポイント減って31.9%、民進党も2.2ポイント減って8.2%、以下公明党3.3%、共産党4.1%、日本維新の会3.5%、自由党0.8%、社民党1.1%、日本のこころ0.3%、そして支持する政党がないとした無党派層が最も多く45.1%でした。

 

荒川:この数字の中で、不支持の理由を「総理が信頼できない」としたのが51.6%に達してるんですね。

 

青木:安全保障関連法制が衆議院で強行的に通過させられた直後に37.7%になったんですね。

この時は、徐々に回復したんですよね。

時間が経つと忘れていくと言ったら言い過ぎかもしれないけど、だんだん回復していったわけです。

今回も同じようなことになる可能性ももちろんあるんですが、今回は少し違うのは、安全保障法制の時は、集団的自衛権憲法違反じゃないかといってる時に無理矢理押し通したという、政策に対する批判あるいは不信または手法に対しての批判が盛り上がって、支持率が下がったわけですよね。

今回は、総理自身が信用できないと。

いろいろと問題が出てきてますけど、森友加計問題、安倍さんの秘蔵っ子の稲田さんの問題、全て安倍さん自身のところに帰っていくわけですよね。

下村元文部科学大臣もお友達と言われている、その下村さんをめぐってパーティー券を加計学園側に買ってもらったんじゃないかという疑惑が出ていたりとかして、そうなってくるとちょっとこれまでとは違うのかなという気はします。

あるいは、時事通信が少し前に行った調査では支持率は3割を切っています。

それから、テレビ朝日の調査でも3割切ってるんですね。

だから、続落しているとも言えますし、ひとつ注目すべきなのは、時事通信の調査は対面調査なんですよ。

電話調査と対面調査のどちらが正しいかということは議論があるんですが、対面調査の場合は面と向かって答えますので、じっくり考えて慎重に答えている場合が多いんですね。

ですから、この3割を切った時事通信の数字は衝撃的だと思います。

 

荒川:8月に入ってすぐに内閣改造をやるのではないかという話も伝わっていますけど、総理ご自身に対する「信頼できない」という声がこれだけになると、内閣を改造したところで果たしてどうなんだろうという気がしますね。

 

青木:内閣改造といっても、骨の部分は変えられない、特に菅官房長官あるいは麻生副総理は変えられないとなると、あまり新しいというイメージを作りにくいという気もしますし、何よりも安倍さん自身が出席する予算委をやるという話になってきてますけど、質問時間を与党と野党で対等にしろみたいなことを与党が言い出してるわけですよね。

変な言い方をすると、それで「結局説明する気ないじゃないか」となってしまう可能性もある。

ただし、忘れてはいけないのは、自民党の支持率も安倍政権の支持率も続落してるんだけど、民進党の支持率も落ちてるんですね。

つまり、与党政権も支持されてないけど、野党の支持も集まっていない、むしろ減っているということは、受け皿という問題になってしまうんですよね。

だから、民進党のみなさんも蓮舫さんの戸籍なんてことを今更ほじくり返して何やってんだという感じがしちゃいますね。

野党のみなさんも、政権の支持率が下がってるって言うだけではなくて、受け皿になるためにはどうすればいいのかということを、それは野党共闘なのか、あるいは原発政策では旗幟を鮮明にするとか、いろいろ考えて貰わないと困るなということは言っておかないといけないと思いますね。