変わる年金制度、10年で貰える年金とは? ニュースアップ
7月21日放送「NHKマイあさラジオ」
キャスター:来月から年金制度が大きく変わります。
年金を受け取れる要件が緩和され、新たに64万人が年金を受け取ることになり、国では年金の請求手続きを呼びかけています。
武田解説委員に聞きます。
新たに64万人、この方々が年金を受け取れるようになる。
なぜなのか、改めて教えてください。
武田:まず年金を受け取るためには、保険料を納めていることが必要です。
これまでは、保険料を最低でも25年以上納めているということが公的年金を受け取る条件でした。
これは、他の先進国などと比べると突出して長いんです。
こういった期間を設けている国では5年とか長くても10年ぐらいです。
それでどうなるかというと、せっかく保険料を納めていても、25年には届かずに、結局年金は1円も貰えない無年金になる人が大勢出ています。
ですから、こうした無年金の人たちの救済のために、この25年以上という要件を緩和して法改正をして、来月からは最低10年以上納めていれば、年金を受け取ることができるというふうに変わるわけです。
キャスター:その対象の方々は手続きが必要だということなんですけど、どういう手続きをすればいいんですか。
武田:対象となる64万人の方には、すでに日本年金機構が黄色いA4版の封筒を送っています。
中に書類がありますので、この封筒を贈られた方は、その書類で手続きをすることが必要です。
キャスター:この年金はいつから貰えるんでしょうか。
武田:早い人で支給は今年10月からになります。
この最初の支給に間に合わせようとすると、今月中に手続きを終えている必要があります。
先ほど言った封筒を全員に送り終えたのは今月上旬のことですので、手続きを終えている人は、まだ4割にも満たないんです。
ですから、日本年金機構は、今月は一定の年金事務所は土曜日も開けて相談に乗ったり、まだ年金の手続きをしていない人に対しては、手続きを呼びかけるハガキを送ったりしています。
キャスター:貰える年金の額はどのくらいになるんでしょう。
武田:年金の額は払った保険料の額によって決まりますので、それだけ少なくなります。
基礎年金の場合、40年払って満額月に6万5千円なんですが、10年納めた人の場合月に1万6千円になります。
ですから、保険料はできるだけ長く払ったほうがいいということに変わりはないわけです。