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残業200時間、新国立競技場建設で過労自殺か、厚生労働大臣は重大な事案と述べる

7月21日放送「荒川強啓デイ・キャッチ」

コメンテーター:宮台真司

 

新しい国立競技場を建設する下請け業者で現場監督を務めていた23歳の男性が自殺したのは、月に200時間近い残業を仕入れらたためとして、遺族が労災申請していることがわかりました。

これについて、潮崎厚生労働大臣は、「重大な事案だ。労働時間短縮に取り組む」と述べ、他にも新国立競技場の建設工事で似たようなケースがないか調べる考えを示しました。

 

男性は去年大学を卒業して建設会社に入社しましたが、今年の3月2日会社に「今日は欠勤する」と電話した後行方が分からなくなりまして、長野県内で自殺しているのが見つかりました。

そしてこの程、両親の代理人である弁護士が過酷な労働条件を明らかにしました。

工事現場の入退場記録を基に毎月の残業時間を調べたところ、月80時間の過労死ラインをはるかに超えていて、亡くなる直前の2月は210時間、その前の1ヶ月も143時間残業していたことが確認されたということです。

政府は、働き方改革の実行計画の中で、建設業に関しては、オリンピックの前に急激な労働時間の短縮は難しいとして、残業時間の法的な上限の導入を5年間猶予していました。

 

荒川:メールをご紹介します。

日程が決まっている中、着工が遅れたために、現場の一番弱い人にしわ寄せがきました。このような状況では、過労自殺だけでなく、現場での事故も起きていてもおかしくはありません。

というメールをいただいております。

宮台さん、もしこの自殺が過労死だったとすると、このオリンピック最優先の政策が引き起こした悲劇とも言えるわけですよね。

 

宮台:これも国家のアドバルーンやシンボルのために命が犠牲になるという話だよね。

突貫工事をしなければいけないのはわかるけど、(残業の)上限を緩めこそすれ上限なしというのはおかしいでしょう。

当たり前じゃないか、そんなの。

建設業じゃなかったら刑事処罰の対象になるよ、はっきり申し上げれば。

こういう刑事処罰の対象になるような雇用管理をしておいて、それでオリンピックに間に合わせるなんて、オリンピックは何度も言うようにやらないほうがいいんだよ。

しかも、この夏、これからますます激甚災害化していくよ。

雨も降るし、洪水になるし、交通機関も不通になる可能性がある。

もちろん人が話題にしているように、ものすごい炎天下、路上の温度なんて40度を超えるでしょうね。

それを、広告収入を当て込むアメリカの圧力もあって、真夏に開催するとかって、ちょっとおかしいでしょ。

だからとにかく、オリンピック反対。

クソリンピック反対です。