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中国一帯一路とアフリカとの関係

8月9日放送  「NHKマイあさラジオ」

 

キャスター:東アフリカのケニアで、中国が融資した長距離鉄道がこのほど開通しました。

巨大経済圏構想一帯一路を提唱する中国によるアフリカでの要の事業の一つとして注目されています。

ヨハネスブルク支局の三田村記者に聞きます。

中国はアフリカへの経済進出を大変重要視していますよね。

 

三田村:その通りです。

中国が提唱する巨大経済圏構想一帯一路は、中国とヨーロッパを結ぶ巨大な経済圏を作るというものなんですけど、実はこの構想はアフリカも視野に入れてるんですね。

その中国が巨大経済圏構想一帯一路をアフリカで推進する要の事業の一つとして位置付けているのが、ケニアで今年5月に開通した長距離鉄道なんです。

この鉄道なんですけど、首都ナイロビとインド洋に面した港湾都市モンバサとの間の480キロの区間を結んでるんですね。

総工費が日本円で3600億円にも上ります。

1963年にケニアがイギリスから独立して以降、最大の建設プロジェクトになりました。

その建設費用の大半を中国が融資し、線路の建設や車両の製造も中国企業が担当したんです。

私も現地で取材したんですけど、この区間はこれまでバスで10時間以上かかっていたんです。

それが一気に移動時間が半分以下に短縮され、車内は連日大勢の乗客で賑わっています。

各車両には中国とケニアの国旗が描かれていて、中国が建設した鉄道だということを強く印象付けるものとなっています。

この鉄道は今後、ウガンダルワンダなど東アフリカを貫く鉄道網に拡大される計画で、中国がアフリカの大動脈の構築に深く関わっているんですね。

 

キャスター:中国はアフリカへの経済進出を強めているとよく報道されていますけど、実際にアフリカで取材をしていて、中国の存在感はどう感じますか。

 

三田村:アフリカで取材をしていますと、中国が圧倒的な規模でアフリカ各国に経済進出していることを強く実感します。

中国とアフリカとの貿易額は急拡大していて、直近では1880億ドル(21兆円)にも達するという指摘もあるんです。

アフリカに進出した中国の企業も1万社を超えるとされていて、多くの中国企業がアフリカでのビジネスを目指してるんです。

今回の列車の開通に合わせて、ケニアの首都ナイロビでは一帯一路を看板に掲げた大規模な中国製品の展示会も開催されました。

400社以上の中国企業が参加していて、衣服から家電製品、インテリアなど多数展示して、ケニアで拡大する中間所得層をターゲットに、中国企業が商品を売り込んでいました。

 

キャスター:中国のアフリカへの進出というのは今後経済だけにとどまらないという見方もあるようですね。

 

三田村:その通りです。

経済進出とともに注目されるのは、中国がアフリカの安全保障の分野でも関与を強めていることなんです。

中国は最近では、アフリカでの国連のPKO活動(平和維持活動)にも、積極的に参加しています。

日本の陸上自衛隊の施設部隊がPKO活動から撤収した南スーダンでも、中国のPKO部隊が展開してるんです。

また中国軍は、アフリカ東部ジブチで初めての海外拠点となる基地の運用を先月から開始しました。

中国のアフリカでの存在感は益々高まっているというのが現状です。