スマホ当たり屋にご用心 トークファイル渋谷和宏
8月9日放送 「森本毅郎・スタンバイ」
スマートフォンを使った新手の詐欺とか恐喝とか傷害事件が増えているということです。
7月31日付の産経新聞が報じていまして、私たちの身にも降りかかってくるかもしれない犯罪なので、注意喚起の意味も含めて詳しく紹介したいと思うんです。
まず、スマホを持ってわざと人にぶつかり、スマホが壊れたじゃないかと主張して高額の修理代を請求するスマホ当たり屋の犯罪が増えてるんですね。
産経新聞によると、繁華街を受け持つ都内の警察署には、去年からこうしたスマホ当たり屋の相談あるいは110番通報が相次いでいるということです。
だいたいこのスマホ当たり屋は男性で、駅構内のトイレなどから出てくる人を狙って、スマホを持ってわざとぶつかって、ぶつかったせいでスマホが壊れた、修理代を払えと言って、修理代の一部として1万円とか1万5千円程度を請求する。
実際に支払ってしまった被害者もいるということなんですね。
この被害は埼玉県でも発生してまして、去年2月なんですが、JR大宮駅近くの路上で、同様の手口でスマホの修理代を請求しようとした20代の男が詐欺未遂の容疑で県警に逮捕されています。
その一方で、スマホ当たり屋とは逆に、スマホを見ながら歩いている人を狙って、体当たりするスマホ体当たりという暴力行為も全国で相次いでいるとのことです。
先月19日なんですけど、神戸市中央区にあるJR三宮駅のホームで、スマホを見ながら歩いていた50代の女性が前から来た男に体当たりされて転倒する事件が起きました。
この女性は後頭部を強く打ちまして、頭の骨を折る重症を負ってしまったんですね。
その後、60代の男が傷害容疑で兵庫県警に逮捕されました。
男は女性がスマホを見て前を見ていなかったからぶつかったんだと、相手が悪いなどと供述していたんですが、駅の防犯カメラに数メートル手前から方向を変えて女性に向かって行くその男の姿が映っていて、立件する決め手になったということです。
むしゃくしゃしていて、けしからんということでぶつかって行くという、こういう犯罪ですね。
さらに今月にも、町田市でスマホで音楽を聴きながら歩いていた女性を蹴ったとして、50代の男が逮捕されるトラブルも発生しています。
スマホ当たり屋は金銭狙いということなんですが、スマホ体当たりの方はむしゃくしゃしていたとか、歩きスマホを見ていてムカついたとかいった、刹那的なものが多いんですよ。
ですから怒りとか不満のはけ口を見ず知らずの他人に向けて暴発させるという犯罪ですけど、実はネットの掲示板では、こうした行為を歩きスマホをする人のマナーを正すための注意喚起だと賞賛するようなコメントもあったりするんですね。
中には、体当たりするのが楽しいなどというコメントもあったりして、煽ってるような書き込みもあったりするんですね。
それがまた、スマホ体当たりを増やしている可能性は否定できないですね。
もし自分がスマホ当たり屋の標的になってしまって修理代を請求されたらどうするか。
詐欺被害などに詳しい弁護士は、本当にスマホが壊れたのかどうかわからない状態でその場で修理代を払ってしまうのはダメだと指摘しています。
ですので、一緒に警察に行きましょうと、相手と一緒に警察に行こうということで引いてしまうケースもあるそうなんですね。
ですので、それだったら警察に行きましょうというのがいいということです。
ただ、それでも行かないぞと相手が被害を主張し続けた場合、この場合は弁護士などを通じて後日正式に請求して欲しいと告げるのがいいということです。
森本:そんなこと言ったら殴られそうだな。
渋谷:怖いですよね。
でも払っちゃったら取られ損になってしまうということなので、まずは警察に行きましょうと、こう言ううのがいいと弁護士は指摘しています。
一方でスマホ体当たり、これに対しては歩きスマホはしないという以外にないですよね。
トラブルの引き金になるようなことはしないというのが一番ですね。
歩きスマホはそれによる事故も増えてるんですよね。
東京消防庁によると、歩くスマホによる事故で救急搬送された人は、2012年から2016年の5年間で193人に達している。
このうち46%が人や物と接触した事故で、20代から40代の搬送が6割近くを占めているということなので、歩きスマホをしていた人が加害者になってしまって、ということもあるわけです。
ですので、歩きスマホはしないということですね。
先週ハワイのホノルルで道路を横断する際の歩きスマホを今年の10月から禁止して、違反者には罰金を科すということが報じられましたけど、とにかくスマホが変える社会や行動習慣にどう対応するかという新たなルールや危機管理が必要なのかと思います。