民進党蓮舫代表の辞任の波紋
7月28日放送 「NHKマイあさラジオ」
安達解説委員に聞きます。
蓮舫代表が辞任を表明して、稲田防衛大臣も辞任の意向を固めるという大きな政治のニュースが続きましたね。
安達:与野党ともに激震が走ったという感じでしょうか。
稲田防衛大臣は今日安倍総理大臣に辞任を申し入れるようですね。
キャスター:蓮舫代表は、突然の代表の辞任表明という印象でしたが。
安達:ちょっとびっくりした感じもしましたね。
昨日ニュースが流れてから民進党の閣僚経験者ですとか中堅議員何人かに話を聞いたんですが、蓮舫代表は当初辞める気は全くなかったんじゃないかと、完全に追い込まれたかたちでの辞任だと口を揃えていました。
蓮舫代表を取り巻く党内の状況は、日増しに厳しくなっていたことは確かだと思います。
キャスター:なぜ辞任に追い込まれたんでしょうか。
安達:キーワードは”読み違い”だと思います。
大きく二つありまして、ひとつは東京都議会議員選挙の後の対応です。
今月2日の都議会議員選挙、7議席から2議席減らして、5議席だったんです。
ただ、民進党の執行部の中には厳しい状況の中でなんとか善戦したんじゃないかという空気がありました。
しかし、その後のNHKの世論調査などを見ると、安倍内閣の支持率が大きく下がっているのに、民進党の支持率も低下傾向にあるということで、党内からは議席を減らした責任は重い、このままでは党がもたないというような声が出始め、蓮舫さんに辞任を求める声も出てきました。
そして、二つ目の読み違いが、野田幹事長です。
野田さんは、幹事長辞任を表明しましたが、これは蓮舫続投に道筋をつけるための辞任だという見方が党内で多いんです。
しかし、辞任を表明したはいいけれど、今度は幹事長のなり手がいないという状況だったんです。
民進党内を取材しますと、蓮舫代表やその周辺の人たちは、党内の実力者や中堅議員などに、野田さんの後任にどうかと打診をしていたようなんです。
ですけど、なかなか色良い返事がもらえないということで、結局幹事長のなり手がいないということが辞任に追い込まれた最大の理由だったんじゃないかと見ています。
キャスター:今後の見通しはいかがでしょうか。
安達:蓮舫代表の後任を選ぶ代表選挙の日程をどうするのかをこれから議論されるわけですけど、党内各グループはすでに動き出しています。
前原元代表ですとか、枝野元幹事長、それから若手のホープと言われている玉木幹事長代理、その他にも何人か名前が挙がっています。
その一方で、民進党は安倍政権の批判の受け皿になっていないというような批判の声が強いんです。
そうしますと、党内の有力議員からも民進党の歴史的使命は終わったんだとか、解党や分党をすべきだという声もあるんです。
来月にも行われるであろう民進党の代表選挙ですけど、党再生ですとか、反転攻勢のきっかけになるのかどうかといいますと、今の段階ではなかなか先が読めない状況であることは確かだと思います。