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名門灘の教科書採択に国会議員が圧力?神戸新聞が過去のいざこざを報じる。

8月4日放送 「荒川強啓デイ・キャッチ!」

 

兵庫県の名門灘中学校が採択した歴史教科書をめぐり、自民党国会議員や県会議員などが過去になぜ採択したのかなどと問い合わせていたことがわかりました。

採択した学び舎が出した教科書は、他社では記述がない慰安婦問題に言及している「共に学ぶ人間の歴史」という教科書で、検定に合格しています。

しかし、おととしの年末、県会議員から問い合わせがあり、さらに年が明けてから、灘OBである自民党の森山衆議院議員からも教科書採択について、電話があったということです。

その後、批判的でしかも文面が全く同じハガキが200通以上届くなど、圧力を感じさせるような事態があったということです。

灘中学の和田校長が去年同人誌に寄稿した「いわれのない圧力の中で」と題した文章で

明らかになったものですが、このところネットで問題が再燃しまして、今日の神戸新聞がまとめたわけです。

灘中学校の和田校長は、「いわれのない圧力の中で」という文章に中で、教科書の選定についての政治家からの問い合わせや批判のハガキ、さらに採択した事実を産経新聞で取り上げられたこと、それらの発信源となっている保守系のブログなどについて触れ、最期に「多様性を否定し、ひとつの考え方しか許されないような計測感の強い社会」と批判しています。

 

荒川強啓:このニュース、宮田さんはどのあたりが気になりますか。

 

宮台真司:日本の自称保守のレベルがいかに低いかということがよくわかるね。

社会保守、つまり政治保守・経済保守ではなくて保守の本義は社会保守なんです。

そういう意味でいうと、たとえば全体主義から距離を取るべき理由も社会の保守にあるんです。

そういう観点からすると、この議員さんとかその議員さんを含む勢力を翼賛する組織、それを指導していると言われるプロデュースした人、この人たちは全部いわゆる日本で言う保守概念の浅さを表してるよね。

僕が、こういう時に思い出すのは、西ドイツとポーランドが76年に合意したドイツポーランド教科書勧告というのがあるんです。

72年から始まって76年に終結した全部で10回ぐらいのドイツとポーランドの学者さんたちの会議があって、その結果勧告が出たんです。

その勧告にはややこしいポイントがいっぱい書かれていて、ドイツとポーランドの国境線問題であるとか、特に問題なのは、強制的な住民移動が行われたことについてどう理解するか、領土変更が行われたことをどう理解するか、今後の国境線の確定についてどう考えるのかということについて、必ずしも一律の見解ではないけれども、西ドイツの従来の考え方に反省を迫るような勧告だったんです。

そのせいで、76年以降、ドイツの各自治体は、ものすごい紛糾するんです。

これを全否定するような自治体もありました。

バーデンビュルテンベルクという州が典型です。

全面的に応援する州もありました。

ブレーメン州あるいはハンブルク州なんかはそうです。

ものすごう分岐があって、しかしいろんな議論の果てに、最終的に勧告に沿った方法で教科書をつくるという方向にだんだんとまとまっていくということがあったんです。

いま、ドイツはフランスと共通教科書を歴史については使うようになった。

しかし、これは、3巻も4巻もあるようなすごく分厚い教科書なんです。

なんで分厚くなるか、たとえば従軍慰安婦問題についても、事実についての見解は3種類ある、あるいは事実についての見解とは別にこれをどう評価するかについての見解もこれだけあるというように、分かりやすく言うと、あなたは自分で考えてどの事実、どの価値が妥当だと思うのかというふうに、ディスカッションしなさいと。

ディスカッションをして、我が物としなさいというタイプの教科書で、灘中学の先生は、そういう議論をベースにした教育、これをアクティブラーニングというんですね。

大学でもいま、アクティブラーニングが推奨されています。

そのアクティブラーニングという観点から、まさに何が社会の保守に役立つのか、たとえばもともと、この勧告に対するドイツの反応は最初は反共主義的な観点から行われていた。

東ドイツに対して甘いことを言っていたらやられるぞと。

しかし、どうやら東ドイツがダメらしいということがわかってくるにつれて、今度は逆に全体主義にどう距離を取るか、ドイツの中にもあり得る全体主義に対してどう距離を取るか、全体主義に与してしまえば社会がズタズタにされてしまう。

これはドイツの過去の経験から来ているんですね。

なので、教育についてもまさにその実践なんですね。

各自治体の小さなユニットによって議論をして、それは見解がバラバラでも全然かまわない。

しかし、議論に議論を重ねて、落ち着きどころがあった場合には、それを全体でシェアしていくという流れ。

それが保守なんです。

三島由紀夫が、1970年に産経新聞に書いてる通りだよ。

愛国教育を押し付けるとか、保守的な概念を押し付けるとかということによって、保守が保全できると考えている人間は、頓馬です。

 

溶ける民進党。細野元幹事長が離党を表明。

8月4日 「荒川強啓デイ・キャッチ!」

 

民進党の細野元幹事長は今日、自身のグループに所属する国会議員に対して、離党して新党を作りたいと述べ、民心党から離党する意向を表明しました。

細野氏の離党には民進党の議員数名が同調する見通しです。

細野氏は離党後、小池都知事が事実上率いる地域政党都民ファーストの会に近い無所属の国会議員と連携を模索すると見られています。

 

荒川強啓:細野議員、どんな人物なのか改めてまとめてみます。

 

細野氏は現在45歳、2000年の衆院選に静岡から出馬して初当選、これまで6回の当選を果たしています。

民主党政権時代の環境大臣や党の幹事長など要職を歴任してきました。

去年9月に行われた民進党の代表選では、自身の不出馬と蓮舫氏の支持を表明し、蓮舫氏が当選した後は代表代行に就任しました。

しかし今年4月、雑誌で自身が考える憲法改正案を公表したところ、党の方針と異なると批判が相次いだことから、代表代行を辞任していました。

 

それでは、TBSラジオ国会担当の武田記者に詳しく聞きます。

まず、今回の細野議員の離党、なぜこのタイミングだと見ますか。

 

武田:8月の終わりになると民進党の新しい代表を選ぶ選挙が始まります。

それまでに決めないと、そこで代表選挙に投票してから離党したのでは、格好悪いですし、筋が通らないということで、今のタイミングになったわけです。

細野さん自身は、4月に代表代行を辞任した時から、ふたつ選択肢を持っていたわけです。

ひとつは、6月に行われた静岡県知事選に出馬する。

もしくは、民進党から離党する。

いずれにしても、その先に細野さんとしては小池さんの都民ファーストの会と連携するということを青写真として描いていた。

そのために、この数か月間細野さんは何度も小池さんと会合を重ねてきたということです。

 

荒川強啓:そうすると、間違いなく新党を結成するという動きの第1歩なんですね。

 

武田:今日は、細野さんは離党すると言いましたから、自分の派閥でそのことを表明したので、後はこれから何人がついてくるのかということが焦点になります。

 

荒川強啓:この動きで9月1日に代表選を控えている民進党、影響はどのぐらいのもんでしょう。

 

武田:やはり大きいですよね。

細野さんは常々口癖が、自分は民主党で当選し、民主党で育ったということでしたね。

したがって民進党から出るというのは、かなりの決断になります。

それから、これまでも何人か離党はしてますけど、名前の売れ方では細野さんの方が格が上ですから、しかも元閣僚、元幹事長ということになりますので。

そういうことを考えるとかなり大きなインパクトになります。

常々申し上げておりますように、民進党はいずれ滅びる政党だと私は見ておりますので、そういう意味では、民進党の解体をより早めるという意味では、細野さんの離党は正しいものだったということなんでしょうね。

 

荒川強啓:宮台さんはどう見ていますか。

 

宮台真司:武田記者と全く同じ意見で、民進党が1日でも早く解散することを望みます。

細野議員は、勉強会で講師をしたこともあるし、彼がスキャンダル騒動に巻き込まれたときに、アドバイスしたこともあるので、お友達ですけど、ちょっと待ちの青年団的な田舎臭さがあって、そこが魅力だともいえるんだけど、ちょっと情報戦略という観点から言うと、ちょっと甘いかなと。

ちょっと小池さんに秋波を送り過ぎかなという感じですね。

 

 

「謙虚に、丁寧に、結果を出したい」改造内閣が本格的に始動

8月4日放送  「荒川強啓デイ・キャッチ!」

 

今朝、金曜定例の閣議が行われ、第3次安倍第3次改造内閣が本格的に動き出しました。

安倍総理は、昨日の記者会見で改憲日程について事実上の先送りを表明し、まずは低迷している支持率の回復を図りたいと思われます。

対する野党は、自衛隊の日報隠蔽問題で稲田元大臣の参考人招致を求めましたが、自民党は拒否しています。

 

荒川強啓:今朝初めての定例閣議が開かれまして、本格的に船出ということなんですが、それでは昨日の総理の会見の中身を確認しましょう。

 

昨日夕方行われた安倍総理の会見は、冒頭森友学園加計学園防衛省の日報問題などで不信を招いたことに対する反省と謝罪から始まりました。

内閣改造については、「結果本位の仕事人内閣」「最優先は経済の再生」としています。

 

安倍総理は、閣僚名簿の一人一人についてコメントをしながら紹介し、総務大臣に起用した野田聖子氏については、「当選同期であり自民党が下野した苦しい時を共に過ごした。耳の痛い話もしっかりと直言してくれる肩だ」と一緒に政治を前に進めたいと話しております。

そして先日、自ら秋の臨時国会改憲案を提出して2020年の施行を目指すと下憲法改正について、「スケジュールありきではない」とトーンダウンした発言にとどめています。

 

内閣を改造してリセットしたい思いもあるんでしょうが、野党はそうはいきません。

民進党の山井国対委員長は、自民党の森山国対委員長と会談しまして、日報問題で稲田元防衛大臣参考人招致を求めたんですが、自民党は改めてそれを拒否しています。

10日の閉会中審査は実施するんですけど、宮台さん、稲田さんの招致をめぐって平行線となっている。これはどう見ればいいんですか。

 

宮台真司防衛庁の幹部が大臣に無断で日報を隠したり捨てたりするということは基本的にあり得ません。

日報が出てきて、それを報告した時に、大臣が何も反応しないということもあり得ません。

なので、稲田さんを呼べば、また彼女に嘘をつかせることになる。

そうした場合に、もしまたそれが嘘だとバレるような証拠が出てきたら、ますます安倍一族はインチキ野郎だみたいな話になってしまうので、それを避けるには、出させないよりほかないんです。

そにための辞任なんだから。

辞任したんだから、もうしつこく追及するなよ、みたいな日本的感情に訴えかけるという姑息な手段だよね。

昨日の記者会見を見ると、相変わらず安倍さんは、いろんな振りをつけてはいるけど、スピーチしている時には基本的にプロンプター棒読みだし、質疑応答のところでプロンプター下がりましたけど、相変わらず手元の紙をめくって一生懸命自分の言葉で話しているような振りをしていましたけど、覚えきれなかったのか時々紙に目を落として。

おかしいでしょ、質疑応答じゃないでしょ。

事前に質問を出させて、官僚たちに作文させて、それに従って喋るというものだから。

こんなのは記者会見じゃないんです。

民主主義の政治であれば、記者会見を開けよってことです。

次に、新しい組閣について言うと、一部の人はものを考えていないから、安定感のある内閣とか言ってるでしょ。

これ結構大笑いだよね。

例えば、野田聖子さんを入れたり、太郎ちゃん、河野太郎さんを入れてますよね。

太郎ちゃんは、実は脱原発の急先鋒だし、日米地位協定の改正の理論的な枠組みを出してきた人だよね。

でも彼は、前の入閣の時には、自分のブログから脱原発のエントリーを全部削除すると言うことをやっちゃいました。

これっておかしいよね。

アメリカだったら、誰が国務長官になるのか、誰が国防長官になるのか、その人の過去のトラックレコード・発言記録・その人のパーソナリティ・価値観いろんなものを勘案して、この人がなったらこう変わると内外にアピールするし、周りもそれを弁えているんですね。

日本の場合なんですか。

日本は、もともと日本の政治は官僚の上にただ冠のように乗っかっているだけで、基本的な枠組みは全て行政官僚たちが敷いて、行政官僚にとって比較的どうでもいい部分について政治家にある種の自由を与えるみたいな、そう言う枠組みなんですね、実際は。

だから、多くの政治家が「あの時に発言したことは私人としてのものだ」とか。

アメリカやヨーロッパだったら、みんな鼻から血を出しちゃう、爆笑で。

あるいは、「あれは首相としての発言ではなくて、総裁としての発言だった」とか。

爆笑だよ。

その人間が、どういう人格なのかということと、どういう役割を果たすのかということを、結びつけて考えることが政治家であるという事の本質で、そこが行政官僚とは違うんだよ。

行政官僚は、パーソナリティを出しちゃダメなんだよ。

政治家は、パーソナリティが命なんです。

なのに、あれは私人としての発言でしたとか、靖国参拝じゃないんだから、政治と行政の近代的な枠組みを弁えろよ、そろそろ。

 

荒川強啓:今回の改造内閣、「仕事人内閣」と名前を付けたようですけど。

 

宮台真司:僕が承ったところでは、もともとは「仕事師内閣」というアイデアだったらしいですね。

すると、「仕事しない閣」に聞こえるので嫌だということで「仕事人内閣」になったという経緯を聞きました。

伝聞です。

本当かどうかは知りません。

しかし今までは、三本の矢とかなんとか内容があることを言っていたのに、今回は内容がゼロだったね。

仕事人内閣って内容ゼロじゃん。

そもそも仕事人じゃなきゃ困るんだよ。

 

 

 

 

 

防衛省信頼回復なるか

8月4日放送  「NHKマイあさラジオ」

 

キャスター:安倍総理大臣は、昨日行った内閣改造で、注目された防衛大臣に大臣経験者の小野寺氏を起用しました。

この人事の狙いは何か、政治担当の松田解説委員に聞きます。

今回防衛大臣に誰がなるのかということが注目されましたが、小野寺さんを起用した狙いはどこにあるんでしょうか。

 

松田:背景にあるのは、何と言っても例の日報問題です。

PKO部隊の日報を陸上自衛隊が破棄したと説明しながら、実際は保管していたという問題です。

特別防衛監察の結果、組織的な隠蔽の実態が白日の下に晒されて、稲田前大臣が辞任、加えて事務方いわゆる背広組トップの事務次官といわゆる制服組陸上自衛隊トップの幕僚長が退任に追い込まれました。

調査の過程では、背広組と制服組の証言が異なる場面もあったということで、今回の問題は背広組と制服組の意思疎通の不足、風通しの悪さを浮き彫りにしました。

こうした中で、新しい大臣に求められるのは、背広組と制服組双方の意見を調整し、まとめ上げる力、そして文民統制つまり政治家として自衛隊という巨大な実力組織を統率する能力だと思います。

これが、防衛省に深く根差した隠蔽体質を改善することにも繋がるからです。

そのためには、安全保障政策に精通し自衛隊からの信頼も厚い防衛大臣経験者でなくては務まらないというわけです。

 

キャスター:それで、小野寺さんに白羽の矢が立ったというわけですね。

 

松田:小野寺さんは、5年前に発足した第2次安倍内閣で2年近くにわたって防衛大臣を務め、海洋進出を強める中国やミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応に当たったほか、日米防衛協力の指針いわゆるガイドラインの見直しにも携わりました。

言うまでもなく、北朝鮮の脅威に対抗するためには、日米の緊密な協力が不可欠です。

近く日米の外務防衛の閣僚協議2プラス2の開催も調整されていますから、即戦力として期待されてるんでしょうね。

 

キャスター:そうしますと、小野寺さんの肩にかかるもの、プレッシャーはかなり大きそうですね。

 

松田:そうでしょうね。

本人は、昨夜の記者会見で、安倍総理大臣からは、厳しさを増す安全保障環境を踏まえた防衛大綱の見直しや、次の中期防衛力整備計画の検討、それに北朝鮮の脅威を抑止するため、アメリカと防衛体制と能力の向上に向けた、具体的な行動を進めることなどについて指示を受けたと述べています。

今回、この日報問題が図らずも浮き彫りにしたように、透明性の向上と組織内の意思疎通の改善は、防衛省自衛隊の積年の課題です。

傷ついた体制を立て直して、大きく揺らいだ国民の信頼を取り戻すことができるか、当面小野寺さんの手腕に注目したいと思います。

 

 

 

積水ハウスが63億円の詐欺被害。地面師の犯行か?

8月3日放送  「荒川強啓デイ・キャッチ!」(TBSラジオ)

 

東京都内の土地取引をめぐり、大手住宅メーカー積水ハウスが63億円を支払ったにもかかわらず、土地を取得できていないことがわかりました。

積水ハウスによると、分譲マンションの建設用地として東京品川区の土地などを所有者を名乗る女性から購入する手続きを結びましたが、女性側から提供されたパスポートなどは偽造されたものだとわかったということです。

警察では、地面師による詐欺被害の可能性が高いと見て、捜査を開始しています。

 

荒川強啓:このニュース、サンキュータツオさんが調べてくれました。

タツオさん、地面師って何ですか。

 

山田五郎:バブルの頃よく聞いたよね。

 

サンキュータツオ:ご存知でしょうか。

結構歴史の古い詐欺みたいなんですが、そのことについて調べました。

他人の土地を自分の物のように偽って、第三者に売り渡す詐欺師のことですね。

単体ではなくて、組織で詐欺を働いているようなんです。

「ようなんです」というのは、どこからどこまでが加害者で、どこからが被害者かすらわからなくなってしまうという非常に巧妙な詐欺だからなんです。

どんな人が関わっているかというと、まず売れそうな土地をリサーチして探してくる人。

次に、書類を偽造する人。

さらに、売主になりすます人。

さらに、弁護士、司法書士になりすます人。

また、騙す客を探してくる人。

これらを分担して行うようなんです。

正しい取引でも、通常の土地の取引というのは、不動産業者が斡旋するので、慣例として土地を買う人と売る人は契約の場で初めて会うというのがほとんどなので、ここを逆手に取った詐欺とも言えるみたいなんです。

今回、積水ハウスが被害を受けたということなんですが、詳しく見てみると、

舞台となったのは五反田駅近くにある何年も営業していない旅館。

旅館が建つおよそ600坪の土地は高齢の女性が保有していました。

この土地は都心でまとまった土地であることから、ずっと様々な企業が狙っていたんですけど、この女性は一切売りませんときっぱり断って、今まで売ることはありませんでした。

ところが今年4月、地主から持ちかけられて、とある企業を経由して積水ハウスに売られることが決まったと。

ところが、6月になって登記が別の個人男性に移っていたんですよね。

積水ハウスに売られるはずだった土地が別名義になったと。

役所は、積水ハウスの契約に不備があると判断したんですが、積水ハウス側は購入代金70億円のうち9割に当たる63億円を既に支払ってしまった後で、所有者とは連絡が取れない状態になっていると。

ここで売却を持ちかけてきた所有者を名乗る女が偽者だったということがわかったと。

 

荒川強啓:その高齢の女性ではなくて。

 

サンキュータツオ:になりすました女の人がこの土地を売ると言いだしたんだというところからストーリーが始まってるんです。

なぜ騙されたかというと、その女性が偽造パスポート、そして偽造印鑑登録証などを駆使して、積水ハウスを騙していたと。

ただその高齢の女性が、それだけの物を偽造するかと言ったら、普通は疑いませんよね。

というところで、組織的な犯罪だということがわかるんですけど、もう所有者を名乗る女は過去にも同様の事件に関与したことがあるとの報道もあり、地面師グリープが関与したということらしいです。

これは積水ハウスだけではなくて、有名ホテルチェーンのアパホテルも被害を受けているんですね。

ここTBSのある赤坂にほど近い土地で土地の権利書はもちろん固定資産評価証明書、印鑑証明書、住基台帳カードまで偽装して、転売した先の所有者になりすまして、アパホテルに土地を12億円で売りつけた人もいる。

売買の場には弁護士や司法書士も同席、地主になりすました80代の男も登場し、売買が成立。

これはもうお芝居みたいなものなんです。

全員キャスティングされてる状態で「あとは契約してください」という状態になるので。

6日後に法務局が書類の偽造に気付いて事件が発覚、その時既になりすました男たちは行方知れず。

その後、今年になって首謀者とされる男 が逮捕されましたけど、アパホテルの被害額の12億円はほぼ帰ってきません。

積水ハウスにしても、アパホテルにしても、土地取引のプロです。

そのプロがなぜ騙されるのか。

というのは、プロでも見抜けないほど巧妙ということなんですね。

その土地の権利書や売主というのは、偽造グループが用意した多重債務者あるいはお金に困った人に数百万円で「なりすましてくれ」と。

もうキャスティング費用ですよね。

出演料みたいな感じで払って、あとはもう海外に行ってしまうとか。

なので、パスポートとか免許証も偽造できるので、相手を信用させるために自宅を用意して、植木屋さんや近所の人までサクラとして用意する。

現場で近所の人が「こんにちは」なんて声かけてたら、地主の人だと思うじゃないですか。

だから、裏の取りようがない。

変に疑ってかかったら、「そんなに疑り深い人とは取り引きしません」と言われたらおしまいなので、なかなか見抜けないです。

 

山田五郎:よくあるのは、間に仲間だかなんだかわからない不動産業者が入る。

それで、騙されてその人が買っちゃったということに、でも買った時点ではその書類はなんの不備もない。

それをさらに転売すると。

 

荒川強啓:それもグルなんでしょ。

 

山田五郎:いや、わかんないじゃないですか。

 

サンキュータツオ:不動産業者もグルの場合と、グルじゃない場合があるそうです。

 

山田五郎:不動産業者は、「私も騙されたんだ」って言えばいいんですよ。

 

 荒川強啓:そういう場合もあるの。

 

サンキュータツオ:弁護士も司法書士もみんな、「私も騙された」って言ってしまうと、じゃあ誰が騙したのかが一切わからない。

 

山田五郎:一番最初に騙したやつもとっくに消えてるんですよ、その頃には。

 

サンキュータツオ:グループがどこまでかわからないけど、とりあえず全員が騙しに加担している構造ではあるんです。

お金を払った後は、売主になりすました人は見つからない。

今言ったように、弁護士や司法書士や不動産業者も騙されたと言ったら、もうそのまま。

防ぎようがない。

 

荒川強啓:誰が儲かってるの?

 

サンキュータツオ:プロデュースした人ですね。

他にもいろんなケースがあるんです。

お金に困ってる土地の権利者が、自分の土地を売らずに詐欺に加担して小金を設けるパターンとか、権利者の親族がこのグループに加担するとか、こうなったら絶対に見抜けないというパターンばっかり。

もともと地面師というのは、70年ほど前に終戦後のドサクサに跋扈した詐欺師なんですね。

役場が戦災にあって機能していない時期に、勝手に土地に縄を張って土地の所有者になりすました。

そして関係書書類をでっち上げて、転売してぼろ儲けをする。

 

荒川強啓:それだけの騙しの歴史があるのに、未だに整備できてないの、法律は。

 

サンキュータツオ:違うんです。

背景が違うんです。

今は終戦後ではないんですけど、地主が高齢化して、孤立しているので、別の場所で一人で暮らしている。

あるいは亡くなった後、相続とかに時間がかかって、何年も土地が放置されている。

なので、都内にあるぼろ家や空き地みたいなところがありますよね。

ああいうところをわざわざ狙って詐欺を働くんです。

2020年の東京オリンピックを前に、東京は4年連続で地価が上がり続けている。

日本銀行によるゼロ金利政策でマンション投資ブームが続いた上に、今年1月マイナス金利政策もあって不動産ブームが来ている。

ということで、買いたいと思う人がすごく多いところに詐欺を働く組織が暗躍していると。

どうやったら、これを防げるのかと。

書類が偽装だと発覚していないまだ顕在化していない土地もあるので、司法書士連合会の理事によると、登記は日常的に見るものではないので、持ち主が被害を未然に防ぐのは難しいと。

防ぎようがないとプロが言ってるんですよね。

 

山田五郎:知らないうちに変えられちゃってるんだもん。

 

サンキュータツオ:もう見初められちゃったら、それで終わりっていうお手上げ状態の詐欺があるので、みなさん気をつけてということしか言えないんです。

 

荒川強啓:気をつけようがないじゃない。

 

サンキュータツオ:そうなんですよ。

これはそもそもあまり大きく報道されないですし、被害者も言ったところでお金が帰ってこないので言わないんですよ。

ということで、全然表に出てこないんですけど、大きな被害がたくさん生まれているというニュースなんです。

 

山田五郎:土地を持たないことですね。

 

 

内閣改造でポスト安倍と言われる人はどう扱われたのか 朝刊読みくらべ

8月4日放送 「森本毅郎・スタンバイ」

 

内閣改造で、今後のポスト安倍の人たちはどう扱われたのか。

今日の朝日新聞が書いてるんですが、

3社3様

ということで、

まず岸田さん、

ポスト安倍の有力候補3人の中で岸田さんは希望通り党3役に起用して、

親安倍路線に乗せた。

というんですね。

若手からは、完全に安倍列車に乗ったんだと、

岸田首相の実現には禅譲以外の選択肢が取りづらい。

こういうふうに不安が漏れるほどだと。

それから野田さん、

この人は、閣僚にはなりましたが、

次の総裁選には「必ず出る」と明言しています。

ただし、閣僚復帰で有力候補にはなったけど、

非安倍としての立ち位置は中途半端になった。

と書いています。

対照的なのが、石破さんです。

首相は、3日の会見で石破さんを起用しなかった理由を聞かれたが、答えもしなかった。

石田派の幹部は、「完全な石破つぶしだ」と反発しているというんですが、

毎日新聞には、別の見方が出ていまして、

石破さんは、総裁選まで首相と距離を置いて、政権批判の受け皿となる戦略を描いているということで、仮に首相から入閣を打診された場合、どう対処するか頭を悩ませていたというんですね。

もし断ると、自民党の危機の時に協力しないなんてひどいと言われがちだ。

だから、どうしよう。と考えてたんで、石破抜きの改造人事が決まって、

石破さんは「ホッとした」と言っているそうです。

むしろ朝日新聞に戻れば、ポスト安倍として存在感を高める可能性も逆に出てきてしまった。ほかの二人が中途半端になった分だけ石破さんの立ち位置がはっきりしてきたという見方もあって、3者3様。

どうみなさんは受け止めるでしょうか。

 

 

アジアに広がるISの脅威

8月2日放送  「先読み!夕方ニュース」(NHKラジオ)

 

キャスター:ISなど過激派によるテロの脅威が中東やヨーロッパにとどまらず、東南アジアにも広がっています。

先週末には、ISの脅威に対して対策を話し合う会議が、インドネシアで開かれました。

テロの脅威にどう立ち向かえば良いのか、二村解説委員に聞いていきます。

 東南アジアでテロの脅威が広がっているということですが、どれだけ現実味があるんですか。

 

二村:中東やヨーロッパはよく言われているんですが、東南アジアでもいつ大規模なテロが起きてもおかしくないというのが現実なんです。

特にフィリピンでは、ミンダナオ島の情勢が非常に悪化していまして、特にマラウイという人口20万ほどの都市では、今年5月以降ISを支持する過激派組織が都市の一部を占拠しまして、今政府軍との間で激しい戦闘を繰り広げています。

もう死者も600人を超えたということです。

インドネシアでは5月24日、ジャカルタのバスターミナルで爆破テロが起きまして、警察官3人が死亡する事件が起きています。

ちょうどこの頃は、イギリスのマンチェスターのコンサート会場で自爆テロが起きて世界中が衝撃に包まれたんですが、実は東南アジアでもそうした過激派によるとみられる事件が立て続けに起きていました。

これらの地域には日本の企業も進出しているだけに人ごとではないと思います。

 

キャスター:なぜ東南アジアでISなどの過激派が急速に勢力を広げてるんですか。

 

二村:ひとつは政情や治安が不安定な地域でして、もともとイスラム過激派が反政府活動を展開していたことから、ISの影響を受け安かったということが言えます。

それから、イラクやシリアでISが弱体化しているんですけど、それに伴って大量の武器や資金さらに戦闘員が相次いで流入してきているんです。

ISはフィリピンのマラウイを東南アジアの拠点にしようとまでしています。

インターネットでは、軍事訓練の映像を公開しています。

またこれらの地域は多くの島々からなりますので、密輸あるいは密航が後を絶ちませんで、海を渡って移動する戦闘員の取り締まりが難しいということもISの勢力拡大につながっていると言えそうです。

 

キャスター:二村さん、ISと言えば世界中の若者が加わっていましたよね。

それが今、東南アジアに流れてきていると考えればいいんですか。

 

二村:そういうことです。

フィリピンの過激派組織にはインドネシアやマレーシアの他にサウジアラビアやイエメンさらにはロシアのチェチェンからの外国人戦闘員も加わっていることが確認されています。

戦闘経験を積んでより先鋭化したシリア帰りの落武者たちが加わっています。

インドネシアからは、シリアやイラクに向かった人が500人以上、マレーシアからも200人以上が向かったと言われているんですが、そのうちインドネシアにはすでに100人以上が帰国していると言われています。

そうした戦闘経験を積んだ若者あるいは国内で過激な思想に染まった若者たちによるテロの脅威に各国が直面しているというわけです。

 

キャスター:そうすると、どうやってテロを防いだらいいんですか。

 

二村:先週末インドネシアで国際会議が開かれまして、6カ国の治安安全保障担当の閣僚が集まったんですけど、やはり東南アジアをISの拠点としないために、戦闘員の国境を超えた移動を防ぐことが重要だとしまして、情報の共有・国境警備の強化で協力を進めることで一致しました。

ただ、それだけでイスラム過激派の脅威を本当に取り除けるかというと、容易なことではないんです。

これまでも同じような会議が行われてきたんですけど、テロの脅威は一向に収まっていません。

各国の連携がこの地域ではほとんどできていなかったというのが実情でして、やはり各国が協力しあって、戦闘員の情報の把握あるいは過激な思想を持つ若者に対する再教育・カウンセリングといったところに力を入れていかなくてはいけないんだと思います。

それから、そうした戦闘員あるいは過激な思想を持った人たちが日本に来ないとも限りません。

ですので、日本としてもこうした取り組みに積極的に関わっていくことが必要になってくると思います。

 

政権交代を目指す。前原元外務大臣が民進党の代表選に出馬を表明

8月3日放送  「荒川強啓デイ・キャッチ!」(TBSラジオ)

 

民進党前原誠司外務大臣が、蓮舫代表の後任を決める代表選に立候補する考えを表明しました。

前原氏は「政権交代を目指せる野党を作らなければいけない。不退転の気持ちで臨ませていただきたい。」と述べました。

代表選にはこの他、枝野幸男官房長官が立候補の意向を表明しているほか、玉木雄一郎幹事長代理が出馬を模索しています。

 

前原氏は、立候補する理由について、安倍内閣の支持率急落をあげて、わが党の支持率も下がり不満の行き場がない、民主主義・日本の危機との思い出決意をしたと表明しています。

 

前原氏は、1993年に日本新党から衆議院に初当選し、現在8期目、2005年から2006年に旧民主党の代表を務め、政権時代には国土交通大臣外務大臣などを歴任しました。

前原氏には、自身が率いるグループのほか、大畑明宏元経済産業大臣のグループなどが支援する方針で、保守系議員らを中心に支持拡大を狙っています。

一方、枝野氏もリベラル系議員らで構成する赤松敬浩元農林水産大臣のグループが支援する方針を固めていて、党内のリベラル派と保守派が激突する構図となっています。

 

 

荒川強啓民進党は、昨日の両院議員総会で代表選の日程を、8月21日告示、9月1日投開票と決めましたが、総会では、代表選をやっている場合ではないとして、前倒しを求める声が続出しました。

さらに蓮舫氏の突然の辞任表明に対して、民進党代表の座が軽く見られているとの不満も出ていたということで、五郎さん、民進党の代表選はどう見ておられますか。

 

山田五郎:なんだかなあという感じで、もう分裂する可能性が大いにあるわけですよね。

離脱・新党結成とか。

党の代表の選挙やってるよりも、もうはっきりさせたほうがいいような気がしますけどね。

安倍総理解散総選挙を先延ばしにする考えだというのなら、今のうちに新しい党を作るなら作るで、やっとかないとと思いますけどね。

 

荒川:急いでおかないといけないのは民進党の方ですね。

 

山田:民進党の方だと思います。

出直しなら出直しで、一回解党して、もう一回やり直すぐらいの感じでやった方がいいと思いますね。

代表だけ変えたって同じですよ。

 

荒川:それと小池さんが、その動きはないとはおっしゃってはいるものの、やはり都民ファーストというのが国民ファーストといいたような大きな受け皿として国政に出て来るという可能性もありますしね。

それを考えたときに、民進党はどうするのとはっきりさせておかないといけないですね。

 

山田:本当にね、前原さんが言うように、国民の不満の行き場がない状況ですからね。

 

 

トランプ政権、人事の刷新の行方は

8月2日放送  「NHKマイあさラジオ」

 

 キャスター:アメリカのトランプ大統領は、政権運営の要となる大統領主席補佐官を交代させるなど、人事刷新を進めています。

その行方はどうなるのか、アメリカ担当の高橋解説委員に聞きます。

なぜ今、人事刷新が必要なんでしょうか。

 

高橋:トランプ政権の発足から半年あまり経ちますけど、今のホワイトハウスは重要法案、オバマケアの見直しですとか、税制改革などがことごとく実現の目処すら立っていないばかりか、政権の内部にも不協和音が目立つからです。

直接の発端は、ホワイトハウスの広報戦略を統括する責任者に投資家のスカラムッチ氏が起用されたことから始まりました。

その起用に反対したホワイトハウスのスパイサー報道官が辞任、さらにプリーバス主席補佐官もスカラムッチ氏から政権内の情報漏洩に関わっている可能性があると批判され、事実上の更迭に追い込まれました。

ところが、そうした政権内の不協和音が露呈すると、トランプ大統領は態度を反転させ、今度はスカラムッチ氏を更迭、ホワイトハウスの高官が就任からわずか10日ほどでスピード辞任に追い込まれた混迷ぶりは、近年記憶にありません。

 原因はトランプ大統領自身が、主席補佐官という人事がいかに重要であるかを、これまで十分に認識していなかったからではないか、そんな観測もアメリカのメディアは伝えています。

 

キャスター:この大統領主席補佐官、この仕事はどれくらい重要なんでしょうか。

 

高橋:主席補佐官の本来の仕事は、常に大統領の側近くにあって、あらゆる情報に目を光らせ、各省庁との調整にとどまらず、議会との接触の窓口にもなる、いわばホワイトハウスゲートキーパー(門番)です。

その点で、前任のプリーバス氏はかつて、共和党の全国委員長として選挙戦でトランプ大統領を支えてきた人物だけに、大統領の長女イヴァンカ補佐官ですとか、その特殊な上級顧問など大統領の身内にはなにがしかの遠慮もあったんでしょう。

 

キャスター:では後任には、どんな人物がなったわけですか。

 

高橋:後任に起用されたのは、国土安全保障長官を務めていたケリー氏です。

ケリー補佐官は、たとえ大統領の身内であっても、情実など通用しない謹厳実直な人柄で知られています。

軍の海兵隊出身で、実務本位の人物です。

そんなケリー補佐官が厳しい門番のような役目を果たせば、ホワイトハウスの混乱も収集に向かいはずだ、そうした狙いが今回の人事には込められているんでしょう。

 

キャスター:では、そうした大統領の狙い通りに混乱は収まるんでしょうか。

 

高橋:そこは率直に言ってまだわかりません。

と言いますのも、今トランプ大統領は、いわゆるロシア疑惑をめぐって、捜査から身を引いたセッションズ司法長官の対応に不満を隠そうともせず、ツイッターを通じて半ば公然と圧力をかけているからです。

今のところ、セッションズ司法長官は、自ら辞任するつもりはないと言っていますが、もしかすると来週にも始まる議会の夏休み中に何らかの動きがあるかもしれません。

アメリカでは通常閣僚の任命には議会の承認が必要となるんですが、実は議会が長期の休みに入っている間に生じた欠員については、大統領が議会からの承認なしに任命できる制度があるからなんです。

仮に、トランプ大統領がそうした奥の手を駆使して、セッションズ司法長官を解任し、後任に自らの意のままになる別の人物を任命すれば、議会からの反発は必至、混乱は治るどころかむしろ拍車がかかるでしょう。

果たして、トランプ大統領は司法長官の人事にまで手をつけるのかどうか、その行方が次の焦点になりそうです。

 

 

内閣改造人事 そのポイントは? 朝刊読みくらべ

8月3日放送 「森本毅郎・スタンバイ」(TBSラジオ)

 

内閣改造が今日行われますが、もうすでに顔ぶれが出そろってしまいました。

注目は、岸田さんと野田さんですね。

毎日新聞が書いているんですが、

岸田外務大臣は、今度は自民党政調会長に内定しているということです。

これは内閣支持率が急落した安倍さんにしてみると、

政権維持のために岸田派の協力が必要となった結果、

政権内で岸田さんの存在感が急上昇した。

で、足場を築くかたちになったと書いています。

首相は、7月20日に岸田さんと会談したんですが、

その時には外務大臣になってくれと言ったんですけど、

岸田さんの望む党3役ポストへの起用を受け入れざるを得なくなってしまった。

そして、岸田派にも大きく配慮して、今回林さん、小野寺さん、上川さん、松山さんの4人入閣ということになったと。

朝日新聞が書いていますが、

党3役として首相の意志に従うのか、それとも閣外に出たことで独自色を出すのか、

早速問われるけれども、閣僚経験者はこう言っています。

「岸田さんは禅譲を狙って閣内にいた時よりももっと踏み込んで首相を支えるんじゃないか」

それから、その朝日新聞が書いている野田さんですが、

「私の足場もあるところで、十分ご配慮いただいた。ありがとうございます」

と言っていて、総務大臣を引き受けるというんですけど、

やはり安倍さんにしてみると、自分と距離のある野田さんを引き込ん置こうということです。

逆に野田さんは閣僚として発信をする機会は増えるけれど、首相への批判的な姿勢との整合性はどうなるのか。

これが問われると言っています。

今回、全然立場がなかった石破さん、まさか野田さんの入閣について、

「受けるとは思わなかった」

と言っているそうで、石破さんちょっと孤立ぎみ。