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「謙虚に、丁寧に、結果を出したい」改造内閣が本格的に始動

8月4日放送  「荒川強啓デイ・キャッチ!」

 

今朝、金曜定例の閣議が行われ、第3次安倍第3次改造内閣が本格的に動き出しました。

安倍総理は、昨日の記者会見で改憲日程について事実上の先送りを表明し、まずは低迷している支持率の回復を図りたいと思われます。

対する野党は、自衛隊の日報隠蔽問題で稲田元大臣の参考人招致を求めましたが、自民党は拒否しています。

 

荒川強啓:今朝初めての定例閣議が開かれまして、本格的に船出ということなんですが、それでは昨日の総理の会見の中身を確認しましょう。

 

昨日夕方行われた安倍総理の会見は、冒頭森友学園加計学園防衛省の日報問題などで不信を招いたことに対する反省と謝罪から始まりました。

内閣改造については、「結果本位の仕事人内閣」「最優先は経済の再生」としています。

 

安倍総理は、閣僚名簿の一人一人についてコメントをしながら紹介し、総務大臣に起用した野田聖子氏については、「当選同期であり自民党が下野した苦しい時を共に過ごした。耳の痛い話もしっかりと直言してくれる肩だ」と一緒に政治を前に進めたいと話しております。

そして先日、自ら秋の臨時国会改憲案を提出して2020年の施行を目指すと下憲法改正について、「スケジュールありきではない」とトーンダウンした発言にとどめています。

 

内閣を改造してリセットしたい思いもあるんでしょうが、野党はそうはいきません。

民進党の山井国対委員長は、自民党の森山国対委員長と会談しまして、日報問題で稲田元防衛大臣参考人招致を求めたんですが、自民党は改めてそれを拒否しています。

10日の閉会中審査は実施するんですけど、宮台さん、稲田さんの招致をめぐって平行線となっている。これはどう見ればいいんですか。

 

宮台真司防衛庁の幹部が大臣に無断で日報を隠したり捨てたりするということは基本的にあり得ません。

日報が出てきて、それを報告した時に、大臣が何も反応しないということもあり得ません。

なので、稲田さんを呼べば、また彼女に嘘をつかせることになる。

そうした場合に、もしまたそれが嘘だとバレるような証拠が出てきたら、ますます安倍一族はインチキ野郎だみたいな話になってしまうので、それを避けるには、出させないよりほかないんです。

そにための辞任なんだから。

辞任したんだから、もうしつこく追及するなよ、みたいな日本的感情に訴えかけるという姑息な手段だよね。

昨日の記者会見を見ると、相変わらず安倍さんは、いろんな振りをつけてはいるけど、スピーチしている時には基本的にプロンプター棒読みだし、質疑応答のところでプロンプター下がりましたけど、相変わらず手元の紙をめくって一生懸命自分の言葉で話しているような振りをしていましたけど、覚えきれなかったのか時々紙に目を落として。

おかしいでしょ、質疑応答じゃないでしょ。

事前に質問を出させて、官僚たちに作文させて、それに従って喋るというものだから。

こんなのは記者会見じゃないんです。

民主主義の政治であれば、記者会見を開けよってことです。

次に、新しい組閣について言うと、一部の人はものを考えていないから、安定感のある内閣とか言ってるでしょ。

これ結構大笑いだよね。

例えば、野田聖子さんを入れたり、太郎ちゃん、河野太郎さんを入れてますよね。

太郎ちゃんは、実は脱原発の急先鋒だし、日米地位協定の改正の理論的な枠組みを出してきた人だよね。

でも彼は、前の入閣の時には、自分のブログから脱原発のエントリーを全部削除すると言うことをやっちゃいました。

これっておかしいよね。

アメリカだったら、誰が国務長官になるのか、誰が国防長官になるのか、その人の過去のトラックレコード・発言記録・その人のパーソナリティ・価値観いろんなものを勘案して、この人がなったらこう変わると内外にアピールするし、周りもそれを弁えているんですね。

日本の場合なんですか。

日本は、もともと日本の政治は官僚の上にただ冠のように乗っかっているだけで、基本的な枠組みは全て行政官僚たちが敷いて、行政官僚にとって比較的どうでもいい部分について政治家にある種の自由を与えるみたいな、そう言う枠組みなんですね、実際は。

だから、多くの政治家が「あの時に発言したことは私人としてのものだ」とか。

アメリカやヨーロッパだったら、みんな鼻から血を出しちゃう、爆笑で。

あるいは、「あれは首相としての発言ではなくて、総裁としての発言だった」とか。

爆笑だよ。

その人間が、どういう人格なのかということと、どういう役割を果たすのかということを、結びつけて考えることが政治家であるという事の本質で、そこが行政官僚とは違うんだよ。

行政官僚は、パーソナリティを出しちゃダメなんだよ。

政治家は、パーソナリティが命なんです。

なのに、あれは私人としての発言でしたとか、靖国参拝じゃないんだから、政治と行政の近代的な枠組みを弁えろよ、そろそろ。

 

荒川強啓:今回の改造内閣、「仕事人内閣」と名前を付けたようですけど。

 

宮台真司:僕が承ったところでは、もともとは「仕事師内閣」というアイデアだったらしいですね。

すると、「仕事しない閣」に聞こえるので嫌だということで「仕事人内閣」になったという経緯を聞きました。

伝聞です。

本当かどうかは知りません。

しかし今までは、三本の矢とかなんとか内容があることを言っていたのに、今回は内容がゼロだったね。

仕事人内閣って内容ゼロじゃん。

そもそも仕事人じゃなきゃ困るんだよ。