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NHKの世論調査の内閣支持率について

8月8日放送  「NHKマイあさラジオ」

 

キャスター:昨日まとまったNHKの世論調査安倍内閣の支持率が出ました。

太田解説委員に聞きます。

NHKが今月4日から行いました世論調査で、安倍内閣の支持率が、支持すると答えた人が改造前の先月の調査よりも4ポイント上がって39%、逆に支持しないは5ポイント下がって43%でした。

まだ支持しないという人の数字の方が高いんですけど差は縮まりましたね。

この数字をどう見ますか。

 

太田:過去の例を見ても、内閣改造後は支持率が上がるケースが多いので、政権への支持が回復したというより、このところの支持率低下にひとまずストップをかけることができたということだと思います。

今回の内閣改造安倍総理が経験者を多く閣僚に起用する、安定最優先の人事をしたのも、これ以上内部から政権基盤が崩れるのを防ぎたいという思いからでした。

関係者からは、支持率低下もこれで底を打ったのではないかと期待する声も聞かれます。

 

キャスター:安倍総理としてはこれで一息つけるということなんでしょうか。

 

太田:ただ、先程も言われた通り支持と不支持が逆転している状況に変わりはありませんし、内閣を支持する理由では、他の内閣よりよさそうだからという人が50%以上を占めており、決して積極的な支持とは言えません。

また、今回の改革改造と自民党役員人事の評価を聞いたところ、評価するが50%、評価しないが42%とそれほど大きな差はなく、まさに真価を問われるのはこれからといった感じです。

さらに、政党支持を見ますと、いわゆる無党派層などが減って、自民党の支持が内閣支持率と同じく4ポイント上がっています。

要するに、政権への不信感から自民党の支持をやめた人たちが、今回の改造や国民へのお詫びから始めた先日の総理の会見などを見て少し戻ってきたという事情です。

 

キャスター:さらなる信頼回復をしようと思ったら、何が必要ですか。

 

太田:まずは総理自身に対する国民からの不信にきちんと向き合うこと。

今回の調査でも、加計学園をめぐる問題で、総理の説明に納得できる人は15%、納得できない人は78%と、依然国民は厳しい目を向けています。

その上で、国民の不安解消を第一に考え、今日も台風で各地に影響が出ていますけど、このところ相次ぐ自然災害や北朝鮮のミサイル問題あるいは子育て・老後への不安など、今国民は様々な不安に直面しています。

政権として、自らがしたいことではなく、今国民が望んでいることにしっかり取り組む、それが信頼回復への第一歩だと思います。

 

キャスター:今回の世論調査では、来月1日に行われます民進党の代表選に関する質問もありましたね。

 

太田:蓮舫代表の辞任表明を受けて、代表が交代する民進党に期待できるかどうか尋ねたところ、期待するは23%、期待しないは70%でした。

民進党の代表選では、これまでに枝野元官房長官と、前原元外務大臣が立候補を表明しています。

民進党の支持率は今回の調査でも、二桁台に届かず、低迷が続いていますから、こちらの方も信頼回復の道のりは厳しいということだろうと思います。