韓国の平昌五輪まであと半年、現地の準備状況は
8月9日放送 「NHKマイあさラジオ」
キャスター:韓国では来年2月9日に冬のオリンピック、平昌オリンピックが開幕します。
今日8月9日で開幕までちょうど半年となりました。
競技会場の準備状況や韓国内のオリンピックへの期待について、ソウル支局の池畑記者に聞きます。
平昌オリンピックまで半年ですけど、競技会場などの整備は順調に進んでいるんでしょうか。
池畑:概ね順調だと思います。
今月1日、平昌オリンピック・パラリンピックの組織委員会が日本メディアに会場の一部を公開しまして、私も取材に参加しました。
案内されたのは、開会式と閉会式が行われるスタジアム、韓国の空の玄関口仁川国際空港と競技会場がある平昌やカンヌを結ぶ高速鉄道KTXの新しい駅、それに選手村でした。
いずれも工事の進捗率は90%ほどという説明でした。
特にKTXの新しい駅は実は韓国メディアよりも先に私たちに公開されました。
日本に向けて準備が順調に進んでいることを伝えたいという意気込みを感じました。
一方課題は、宿泊施設でして、平昌の近くはホテルが少ない上、大会期間中の価格設定が高すぎるという指摘も出ています。
このため組織委員会では、外国からの案客の多くはソウルのホテルに泊まってもらえるようにするのが現実的だと判断しまして、競技の時間に合わせてKTXの臨時ダイヤを組むことにしています。
平昌とソウルはKTXですと2時間ほどですので、ダイヤが上手く組まれれば、ソウルを拠点にするのは難しくないと思いました。
キャスター:新しい駅を韓国のメディアよりも先に日本のメディアに公開するという話がありましたけど、組織委員会は日本向けの広報に力を入れているようですね。
池畑:こうした施設の紹介だけでなく、大会の広報大使には女子プロゴルフの日本ツアーで2年連続賞金女王になっているイ・ボミ選手や、日本でもファンが多いKポップの男性グループビッグバンのメインボーカル・ソルさんも選ばれています。
こうした日本への期待感は隣国であるからということだけでなく、今年初めに現地で開かれたプレ大会で、日本からフィギュアスケートやスキーのジャンプなどのファンが大勢訪れたことから、日本のウインタースポーツファンを取り込みたいという機運が高まっています。
キャスター:地元韓国での大会へ向けた盛り上がりはどうなんでしょうか。
池畑:それがまだ今ひとつなんですね。
韓国政府が先月31日に発表した世論調査を見ますと、大会に関心があると答えた人は35.1%に過ぎず、しかも今年5月の同じ調査より5.2ポイント低いという結果だったんですね。
これは去年秋からの国内政治の混乱のせいで、国民はオリンピックどころではなくなったという分析がもっぱらです。
やや心配な数字ではありますが、注目は大会100日前にあたる今年11月1日以降です。
というのも、11月1日に聖火リレーが仁川国際空港を出発して、韓国の各地を回り始めます。
広報大使だったビッグバンのソルさんもその日に大会を応援する新曲を発表する予定です。
そうした動きが始まれば、韓国国民の関心も急速に高まるのではないかと組織委員会では期待しています。