「獣医学部の全国展開目指す」首相発言、与野党に波紋
TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ」6月27日放送
朝刊読みくらべ
今日の日本経済新聞ですが、「首相発言、与野党に波紋」というね。
首相は、神戸市内の公演で、国家戦略特区で獣医学部の新設に触れてこう言いました。
「今治市だけに限定する必要は全くない。すみやかに全国展開をめざしたい。地域に関係なく、2校でも3校でも意欲あるところには、どんどん獣医学部新設をみとめていく」
めちゃめちゃですよね。
政府が2015年に閣議決定した、獣医学部新設の4条件、これについての整合性にも触れていない。
そして、政府内でも、獣医師の数は飽和状態という見方がある。
免許を持つ人は2014年末の時点で、約3万9千人いて、高齢でも働く獣医師が多いので、10年前から約8千人増えて、逆にペットや家畜は減っていて、農林水産省は、「獣医師全体は不足していない」と言っている。
党内からは、今回の首相の発言は、「加計ありきの批判を払拭するための場当たり的発言」という批判も出ています。
朝日新聞も、共産党の小池書記局長「自分の疑いを晴らすために、国の政策を根本的に変えるみたいな凄まじい話だ」と批判している。
東京新聞、そもそも特区で地域を限定して、規制を突破しようとしたのは、政府の判断だったのではないか。
獣医師の需要の見通しなどから、学部の新設を抑えて来た文部科学省のある職員はこう言ってます。
「1校に絞った経緯について、あれだけ議論して来たのに、全てひっくり返すような発言だ」
と、戸惑っていると。
こういう状況を作っておきながら、自らこれをひっくり返してしまう安倍総理。
めちゃめちゃです。