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配達業界に広がる早朝深夜配送 トークファイル山縣裕一郎

8月10日放送  「森本毅郎・スタンバイ」

 

山縣:いま人手不足ですから、その中で配送をどうやって行くかということで頭を悩ませています。

特にインターネット通販が急激に伸びて、2016年には15兆円規模になっているんですけど、5年間で8割も増えたんですね。

ネットで注文するのはいいんですけど、結局配達してくれるのは人にやってもらわなければいけないので、どうしても配送面で人手不足が深刻になるわけです。

その中で、早朝とか深夜とか、そういった配達時間に分散して上手くやれないだろうかという動きが出ているんです。

まず早朝の方なんですけど、生活協同組合のコープみらいというところがあるんですけど、早朝5時から食料品などの配達サービスをできないかと実験してるんです。

通常は午前9時から午後5時までの配達をしてたんですけど、新たに朝5時から7時という時間帯を追加してみて、一度にするのは危険ですから、東京都の目黒区と千葉県の市川市で配送拠点の近くで早期配達を希望する方300人ぐらい集めまして、やってみているわけです。

早朝ということなので、呼び鈴は寝ている方もいるので鳴らさない。

それから商品を配送用の容器に入れて玄関先に置いておきますというやり方なんです。

ですから日中は仕事でいないとか、最近は共働きが当たり前ですから、共働きで空けてしまうという方に、食料品をいない時に置かれていると夜帰ってくるまで食料品が家の前に置いてあるようなことになりますから、朝だったら出勤前に取り込むことができますよね。

ですから利用者側にもいいのではないかということです。

配送の面からしますと、朝5時くらいだと車が少ないですよね。

配送で大変なのは、いちいち交通渋滞に巻き込まれると大変効率が悪くなるので、会社の方からすれば、それを見越して人員の体制も取らなければいけないので、人件費も上がると思うんですね。

ですから早朝だと交通量も少ないですし、配送効率も高まりますから、配送する側の組織からしてもいいわけですね。

実際、コープみらいでは、日中の配達にどれぐらい時間がかかるかというと、配送1件に平均7分半かかるらしいです。

実験では、早朝だと5分弱に短縮できているそうです。

1件について2分ぐらい短縮できますから、件数が増えればかなり違いますよね。

ですからまずそういう方向で早朝実験をする。

そして早朝にある程度配達してしまえば、1日に決まっている配送量があれば、夕方以降に配送しなくても済んでしまうということにもなるわけですね。

ドライバーの人たちも早朝の配達だけ担当する早朝シフトにすればいいので、自分の働き方も工夫ができるようになります。

ですから働き方改革という意味でも、早朝シフトをうまく利用してほしいというのが、会社側の利益にもなるのでお願いしたいというところでしょうね。

実際一部のコープでは、通常7時間勤務のドライバーさんが多いんですが、4時間勤務というのも作って採用をしてみたり、それから女性にも働いてもらわないと男だけでは手が回らないということで、軽トラックにすればやりやすいという話もあって、そっちに設備投資しようというのもあります。

深夜の方、こちらもビッグカメラなどがやってるんですけど、通販の配達時間を24時まで拡大して、通常22時までなんですけど、夜遅く帰ってくる方がいるのでやろうということで、23区内であれば、午後3時までに注文すればその日の24時までに商品を受け取れるというようにしようということですね。

これは、帰宅してから商品を受け取れる便利さもありますし、会社の側からすれば、配達時間の分散ということで、配送効率を高められるのではないかということになってきてるんですね。

ですから、早朝・深夜に分散しながら、利用する人にもいいし、会社の方もうまくいくんじゃないかということです。

ヨドバシカメラは自分で店舗まで来てくれれば、ずっとお店を開けておくから取りに来てという24時間いつでも受け取れるというサービスを実験しています。

いろいろ工夫してるんですね。